ベースウェイトの数え方と、その決め方

公開 2026-09-02

水と食料を持つ登山者の横で、バックパックだけを秤にかけるゆるいクレヨン風イラスト
ベースウェイトは「背負うもののうち、使えば減るものと着ているものを除いた重量」です。 収録3,798件の中央値で主要10品目を組むと3.82kg、 当サイトがUL帯の目安とする上限で組むと3.36kgになります。 目標の数字を先に決めるより、この差のどこに自分がいるかを知るほうが先です。

ベースウェイトに何を含めるか

ベースウェイト(base weight、BW)は、ザックに入れて背負う装備一式から消耗品と着用装備を除いた重量です。消耗品とは、行動するにつれて 減っていくもの——食料・水・燃料を指します。着用装備は、歩いているあいだ身につけて いるもの——靴・服・時計・トレッキングポールなどです。

消耗品を分ける理由は単純です。3泊分の食料は1泊分の3倍あり、乾いた稜線では水を2L担ぐこともある—— つまり日数と水場の間隔で大きく変わる量であって、装備をどう選んだかとは関係なく増減してしまうからです。 一緒に数えれば、装備を軽くした効果はその変動に埋もれます。ベースウェイトは道具選びの結果だけを取り出した指標だと考えてください。

呼び方含むもの
ベースウェイトザックの中身と本体。食料・水・燃料と、着ているものは含まない
パックウェイトベースウェイト+食料・水・燃料。出発時に実際に背負う重さ
総重量(スキンアウト)パックウェイト+着用装備。靴と服まで含めた「身ひとつの外側すべて」
呼び方は文脈で変わりますが、指しているものは同じです。日本語では「ベース重量」「装備重量」とも書かれます。

ふつうに買うと何kgになるか

先に基準を知っておくと、判断が速くなります。下の表は、収録データの各カテゴリの中央値——つまり「売っているものの真ん中」——を積み上げたもので、 特別に軽いものを狙わず各カテゴリで平均的な製品を選んだとき、装備一式がどのあたりに着地するかの目安です。

品目収録中央値UL帯の目安
バックパック606616g≤600g
シェルター524805.5g≤800g
シュラフ595905g≤700g
マット249542.5g≤400g
インサレーション359230g≤300g
レインウェア295220g≤200g
クッカー229104g≤120g
ストーブ11484g≤80g
浄水器71220g≤100g
ヘッドランプ11190g≤60g
合計3.82kg3.36kg
中央値は収録データの重量が判明している行から計算。UL帯の目安は当サイトがカテゴリごとに 設定した上限で、ULギアの重量目安に根拠をまとめています。

中央値で組むと3.82kg、UL帯の上限で組むと3.36kg。 差は0.46kgです。ただしここには小物が入っていません。 ヘッドランプ以外の電子機器、ファーストエイド、修理具、地図、トイレ用品、スタッフサック類—— これらが加わるので、実際のベースウェイトは表の合計より数百グラムから1kgほど重くなります。

目標から決めない

「まず5kgを目標にする」。この決め方は順序が逆です。ベースウェイトは装備を決めた結果として出てくる数字であって、先に決めた数字に装備を 合わせにいけば、必要なものを削って危険側に倒れます。とくに雨具・保温着・灯り・ ファーストエイドは、削っても数十グラムしか減らないのに、失敗したときの代償だけが大きい部類です。

現実的な手順は、いま持っているものを全部書き出して合計を出し、そこから削減余地の大きい順に検討することです。どのカテゴリにどれだけ余地があるかは何から軽くするかにまとめました。書き出しと合計はパッキングリストで自動計算できます。

数字を比べるときの注意

他人のベースウェイトと自分の数字を比べるときは、何を含めた数字かを先に確認します。 着用装備を入れているか、カメラや三脚のような趣味の道具を「装備外」として除いているか、 水筒を空で数えているか——ここが揃っていなければ、同じ「4.5kg」でも中身はまるで違います。

メーカーの公称重量にも同じ問題があります。テントの「最小重量」と「総重量」は数百グラム 違い、どちらを載せているかはメーカー次第です。詳しくは公称重量の読み方を参照してください。

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