3つの組み方を比べる
全部を最軽量で揃える必要はありません。ここでは収録データから、現実的な3パターンを計算しました。 いずれも各カテゴリの中央値を使っているので、特定の製品を勧めるものではない点に 注意してください。
| 組み方 | 合計重量 | 合計金額 | Aとの差 |
|---|---|---|---|
| A:全部を中央値で | 3.82kg | 約28万円 | — |
| B:Big3だけUL帯に | 2.64kg | 約24万円 | −1.17kg |
| C:一式をUL帯で | 2.23kg | 約22万円 | −1.59kg |
BとCの差を見てください。Big3を替えるだけで、削減量の74%に届きます。残りの6品目を全部替えて、 追加で減るのは413g。まずBig3からという定説は、 データでも裏づけられます。
品目ごとの内訳
どの品目でどれだけ減り、金額がどう動くかを並べます。「UL帯」は当サイトがカテゴリごとに設定した 上限以下の製品群で、そこに何件あるかも示しました。件数が少ないカテゴリは、選択肢が限られる=妥協点が多いということです。
| 品目 | 中央値 | UL帯 | 削減 | 金額差 |
|---|---|---|---|---|
| バックパックBig3 | 616g | 420g292件 | −196g | −11,207円 |
| シェルターBig3 | 805.5g | 440g313件 | −365.5g | −14,233円 |
| シュラフBig3 | 905g | 566g163件 | −339g | +5,478円 |
| マットBig3 | 542.5g | 270g63件 | −272.5g | −14,940円 |
| インサレーション | 230g | 175g232件 | −55g | −6,395円 |
| レインウェア | 220g | 156g125件 | −64g | −2,893円 |
| クッカー | 104g | 70g133件 | −34g | −1,311円 |
| ストーブ | 84g | 26g53件 | −58g | −5,180円 |
| 浄水器 | 220g | 61g20件 | −159g | −3,544円 |
| ヘッドランプ | 90g | 47g27件 | −43g | −4,990円 |
なぜ軽いほうが安く出るのか
直感に反する結果です。ただしこれは「同じ製品の軽い版が安い」という意味ではありません。UL帯に入る製品群と カテゴリ全体の製品群がそもそも別物であり、そのうえ重い側には高機能で高価な製品がまとまって 含まれているために、中央値どうしを引き算するとこういう向きの差が出ます。
- 重い側に高価な製品が混ざっている。冬用の厚いエアマット、 大型で高機能なテント、装備の充実したザック。重くて高い製品は珍しくありません。
- 軽い製品は機能を削っている。ポケットが少ない、耐久性が低い、 快適温度域が狭い。金額に表れないところで支払っています。
- カテゴリによって符号が逆。シュラフでは軽いほうが高く出ます。 条件をそろえた比較は軽い装備は高いのかにまとめました。
削らないほうがいいもの
軽量化には、削っても得るものが小さく、失敗の代償だけが大きい領域があります。 表の下半分にある小物は、全部合わせても413gしか減りません。 その数十グラムのために安全側の余裕を捨てるのは、割に合わない取引です。
- 雨具。日本の山で体温を奪う最大の要因は濡れです。 軽さより、行程に見合う耐水性と透湿性を優先してください。
- 保温着。行動を止めた瞬間に必要になります。削るなら着る枚数の 組み替えで調整し、持たない方向には振らないことです。
- 灯り。予定どおりに歩けなかったときにだけ要る道具ですが、 要るときは必ず暗く、しかも予定どおりに歩けていない状況が同時に起きているのだと考えてください。
- ファーストエイドと修理具。当サイトは収録していませんが、 重量表に載らないからといって不要ではありません。
次にどこを見るか
用語と数え方の整理はベースウェイトの数え方、削減余地の順位は何から軽くするか、就寝装備の組み方はシュラフ・キルト・マットは3点セットで考えるにあります。
